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卒業特集2009


(29)ラグビー蹴球部/早田健二 
主将の重責

負けることが許されず、『荒ぶる』(=日本一)をとることによってのみ評価される。それが早稲田大学ラグビー蹴球部である。それゆえ、選手の代表である主将には必然的に大きなプレッシャーがかかる。今季、その早大ラグビー部の主将として尽力したのが第92代主将早田健二(スポ)だ。

 早田はまさにラグビーのエリート街道を歩んできた。高校時代は名門・大分舞鶴高で全国大会準優勝、高校日本代表を経験し、早大に入学。1年生からアカクロを身にまとい、大学選手権準決勝・京産大戦では3トライを奪い、中竹監督(平9人卒)が選ぶMVP、「極」賞を獲得するほどの大活躍。2年生、3年生では熾烈(しれつ)なレギュラー争いを勝ち抜き大学選手権2連覇に貢献。2季連続でアカクロを着て『荒ぶる』を歌った。

 こうして迎えた最終学年。主将に任命された早田は理想の主将像について「口数が多い方じゃないので、しっかりプレーで引っ張りたい」と語っていた。しかし、現実は理想通りにはならなかった。主将としてチームをまとめることに専念しすぎたのか、はたまた主将のプレッシャーのためか、早田のプレーはかつての輝きを失っていた。さらに同じWTBの下級生が活躍し「(主将として試合に)出続けなければならないという使命」も早田を苦しめた。

 転機が訪れたのは対抗戦・帝大戦後。試合の反省、次戦の分析、さらには練習メニューの決定までが学生主導で行われた。早田を中心に各ポジションリーダーが話し合い、自分達で早田組のラグビーを築いていく。「いろいろなリーダーを信頼しているし、僕が言えないことは頼っている部分もある。だけど、最後にチームの軸としてしっかりやるべきことは言っている」と早田自身の主将像についにたどり着いた。

 早田のプレーも徐々に本来の調子を取り戻していく。大学選手権1回戦・立命大戦では終了間際に絶妙な緩急のステップから次々とディフェンスを置き去りにし、約50メートルを走り切るトライを見せてくれた。このプレーは早田の完全復活を彷彿させた。それだけに2回戦の帝大戦さえ乗り越えていれば『荒ぶる』を獲得できたのではないかと、悔いが残る。

  早田は「チームをいかにまとめるか、自分もどういう風にやっていきたいか悩みました。でも同期に支えてもらい、いろんな人に応援してもらいました」と主将としての1年間を振り返った。卒業後はトップキュウシュウ・九州電力キューデンヴォルテクスに入団する。主将という重責から解放され、プレーだけに専念できる環境となる。ワセダでは残念ながら不完全燃焼に終わってしまった『Explosion』を、社会人ではきっと成し遂げてくれるはずだ。(記事 佐藤啓太、カメラ 高森静香)

    

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