卒業特集2009
(10)男子庭球部/池野新八郎×上本武
支える
全日本大学対抗王座決定試合(王座)5連覇を達成した男子庭球部。しかし、王座のオーダーには主将池野新八郎(スポ)、副将上本武(スポ)ら4年生の名は最後まで刻まれることは無かった。黄金期を着々と作り上げる後輩たち。その中で池野・上本の二人は何を思い、ラストシーズンを迎えたのか。
王座4連覇の余韻に浸る間も無く、主将に選ばれた池野はある事を危惧した。「強ければ何でもいいのか」。強くなればなるほど、人間には驕りが出てくるもの。池野はそれを食い止めるため、チームに「遊ぶときは遊び、やるときはやる」メリハリある行動を求めた。「テニスで圧倒できるなら、人間性でも圧倒できれば、さらにチームとして価値は上がる」。池野はその思いを胸に、部員を心の部分で支えた。
「副将はサポートすることが一番の仕事」と上本は語る。「池野からふと漏れることを聞いて自分で何かできることはないのかな、どうすれば負担を減らせるのかなと悩んだ」と時には主将と共に悩み、「こいつらは伸び伸びやらせておけば大丈夫。でも、抑えるところはしっかり抑えて」と時には後輩たちを導いた。副将という、表からは活動が見えにくい立場。それでも上本はチームに献身し続けた。
二人は主将副将の間柄だけではなく、ダブルスでもペアを組んだ。「口に出さなくても何考えてくれてるのかわかってくれている」(池野)、「池野はすごい表情に出るので、こいつ何考えてるなとかすっとわかりやすくてやりやすかった」(上本)と正しく以心伝心の間柄。入学から不振に喘いでいたが、今季関東学生トーナメントでベスト4、全日本学生選手権でベスト8と結果を残す。ジュニア時代からダブルス巧者として名を馳せていた二人が、ついに最終学年で花を咲かせた。
ダブルスで結果を残すことはできたが、二人が最後の王座に出場することは叶わなかった。しかし、そこで腐らずにチームを鼓舞し続けた姿は、必ずや部員たちの心の支えになったことだろう。「自分が試合に出てなくてもすごい感じるものがある」(上本)。常に早大庭球部のことを考え続けた。最後に得た最高の結末は「チームに全てを捧げた」(池野)二人の集大成だったに違いない。
「自分の人生における早大の4年間とは」との質問に、池野は「自分を確立できた場」、上本は「ホップステップジャンプのステップの場」と語った。これからはテニスを離れ、社会に臨む二人。庭球部で過ごした濃い4年間を踏み切り、次の舞台へジャンプする。(記事 渡部拓真、カメラ 辻佳亮)

池野・上本
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