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卒業特集2009


(3)ア式蹴球部女子/大脇友里佳
最大の「ありがとう」
4季ぶりに全日本大学女子選手権(インカレ)優勝の快挙を成し遂げたア式蹴球部女子。「もう最高です」。試合終了直後の大脇友里佳主将(スポ4)の言葉には、高揚感と安堵感が同時ににじみ出ていた。場合に応じてセンターバック、サイドバックをこなし分け、隙あらばサイドからの素早い攻撃も見せる。最終ラインからの的確な指示も、仲間からの信頼を集めた。「最高の主将」と慕われ、見事その責務を果たした喜びは格別だ。だが、「あのときあったから強くなれた」、大脇にはそんな過去があった。

 ワセダでのシーズン3年目の春、1年時から多くの試合経験を積んできたにもかかわらず、膝に致命的なケガを負った。丸1シーズンはサッカーができず、それまで当たり前だった日々を奪われた。「試合は正直観たくないときもあった」。それでも屈強な精神の持ち主は、ひたすら飽きずにリハビリをこなしたという。やがて気持ちや行動にも変化が生まれた。「チームのためになることを探して行動しないと、自分の存在価値がなくなっちゃう気がした」と。

 苦い経験をした大脇だからこそ、たどり着いた答えがあった。それは、ピッチに立つものは、立てない仲間の思いを背負って懸命に戦わねばならないこと。一方、今季ピッチ外で支えてくれた仲間に対しては、「もし去年の友里佳さんもそうだったって思ってくれていたら嬉しいな」と語る。ピッチに立つ者も立てない者も、チームを思う心は同じ。その思いやりはチームに浸透して一体感を生み、インカレ優勝という最高の形で実を結んだ。「サッカーにはケガが付き物だが、それをいかに乗り越えるかも非常に大事なこと」(長岡義一監督)。入学当初に比べ何倍も大きく成長した大脇の姿は、指揮官の胸にも響くものがあった。

 現在ケガに悩む後輩たちには、「次に絶対つながるから、乗り越えて頑張ってほしい」とエールを送る。大学院に進学する大脇は、来季からはスタッフに回る。「しっかりサポートしてあげて、インカレを2連覇、3連覇できたら」。仲間がいる。サッカーができる。ただそのことに最大の感謝を送った大脇。これからもア式蹴球部女子は、その「ありがとう」を受け継いでいく。 (記事 竹内悠、カメラ 山中太裕) 

大脇
    

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