米式蹴球部
「ついに決戦の時」
9月から始まった関東学生秋季リーグ戦も残すところあと1試合となった。早大にとって悲願ともいえるブロック突破へ最終節の日大戦はまさに大一番となる。そんな大事な一戦を前に朝倉孝雄監督(平3商卒)にお話を聞いた。
※日大戦の展望は一番下へ
―今季ここまでのリーグ戦を振り返って
ここ数年、夏合宿というのは個人練習に多くの時間を割いていたんです。そこで鍛えたことをいかしてリーグ戦の序盤はあまり戦略、戦術の面であまり難しいことはせず、個人の力で勝つようなゲームをしていました。ところが開幕戦で17-10といきなり接戦になってしまって。そのあと国士大に負けて、努力もしたけれど相手も1対1では奮戦してきたし、思ったほど圧倒できていないということに気づいてしまったんです。監督、コーチ陣を含めこの2戦はなんとかなると考えていたんですよね。特別なことをしなくてもいつもどおり勝てると油断がありました。国士大戦の敗戦で今年の実力と自分たちは強くないんだと自覚しましたね。
―その国士大戦の敗戦からここまで全勝。監督としてどのようなことを
もうひとつでも負けたらリーグ戦を突破できないので後がないぞ、だから当然もう負けられないということは強く言いました。ただ逆にそのことが練習からでも危機感を持ったり良い緊張感が生まれたりしました。自分たちは弱い、そして実力もない。だったら攻めるしかない、もう気持ちから挑戦者として切り替えることが大切でした。また、「4クオーターが終わって1点でも勝っていたら良いんだ。」内容は二の次だと言い続けてきました。とにかく一戦必勝で試合に臨めるようにしました。
―その敗戦からチームはどう変わったか
国士大に負けてからはキャプテン、4年を中心に迷いのようなものはありました。ただカベを乗り越えて自分たちがキッチリ弱いということを自覚してからは練習あるのみという風に困難に直面して自分たちのことを知ったようです。
―今季のビッグベア―ズはディフェンスの強いチームと言われているが
ディフェンスのメンバーは昨年からDL稲葉とDB杉本(廣太、勲央=ともに平21スポ卒)が抜けただけなんです。実質的に9名残るということだったので経験は当然ありました。だからある程度ディフェンスはボールコントロールできるはずだし、いいポジション、タイミングでオフェンスにボールをつなげるのではないかと考えていました。ディフェンス主導でやっている部分はあると思います。
―それでも、日大戦にはやはりオフェンスの力が必要なのでは
オフェンスの奮闘は確かに必須ですね。日大はショットガンを主体に得点パターンが豊富です。ここまでの試合こそ、ディフェンスはTD2本以内に抑えてきているんですが日大はどんな状況でも一発でTDまで持っていける力があります。ということで2本以上確実に取られてしまうと思っています。そういう状況でオフェンスがあわてず自分たちのオフェンスが出せるかということが大事になってくるのではないかと。得点力は日大戦のキーポイントになると思います。
―今年初めから常に日大を意識してきたと思いますが
国士大に負けたあとはもう日大のことはいったん忘れました。春から夏にかけてはある程度、日大を意識したことをやっていましたが負けてからはもう先のことは考えず、目の前にあるゲームに集中しましたね。今ようやく、勝てばブロック突破の可能性がある状態になってはじめて日大モードになっているかなという感じですね。
―昨季と比べ、日大の印象は
あいかわらず爆発的なオフェンスは健在ですね。ディフェンスはLBだった四年生が全員抜けて春先はそこまで安定感がある印象は受けませんでした。ただ秋になってリーグ戦を見ていると、鍛え上げられてスキがなくなっていましたね。
―どこが勝負になってくるか
やはりライン戦でしょう。攻守ともにラインでどこまで戦えるかということで勝負が決まってくると思います。日大のラインの選手たちは大きくて重いので早大はスピードテクニックでどこまで対応できるかでしょうね。そういった意味で、OLの踏ん張りは必須です。パスプロテクションがうまくもてば勝機はあると思います。
―早大のキープレーヤーは
オフェンスならQB芳賀(太郎=教3)、RB末吉(智一=政経2)、WR田谷野(亮=スポ4)、OL梶塚(真矢=政経4)です。ディフェンスはDLの窪木(信利=文構3)とダフィー(スコット=国教3)ですね。とくにディフェンスの2人はラインの真ん中で暴れてほしいですね。
―では、日大のキープレーヤーは
オフェンスではWRクラーク君やQBの平本選手ですね。あとはラインの荒井選手。ディフェンスなら縦のラインが強力ですね。DL小宮選手、LBモトゥ選手、DB矢野選手のところです。
―日大戦をどうみるか
日大戦で前半リードして終わる展開というのはまず考えられませんね。よくて僅差で負けているという予測です。その中で強い気持ちで引っ張っていけるか、逆境の中でも攻め続けることができるか。そこでチームとしての強さが出てくると思います。客観的に見て7:3、ないし8:2くらいで日大有利のゲームです。それくらい日大の実力は群を抜いていると思います。早大の持てる力をすべて出し切ってどうにかやっと5:5かなという感じですね。オフェンス、ディフェンス、キッキングの3要素をミスゼロで、キッチリ用意していったプランをすべて遂行できてという意味ですが。あとは思い切って攻めることですね。オフェンス、ディフェンス、キッキングが三位一体となって良くて5:5に持ち込めるかというところだと思います。
―ずばり見どころを
観に来ている人にどちらが勝つかということを聞いたら、10人中10人が日大というはずです。ウチのOBに聞いても8人ないし9人は日大というでしょう。そういう意味では早大がビッグアップセットを起せるかということが見所ですね。私たちはそのためのシナリオ作りをしています。
―最後に日大戦へ向けて一言お願いします
勝つための準備を抜かりなくして、試合が始まったら迷いなく、攻めて攻めて強い気持ちを持って戦います。皆さんも応援をよろしくお願いします。
(取材・編集 高井伸彰、前納拡)
◆朝倉孝雄(平成3商卒)
1968年10月22日生まれ。現役時のポジションはLB。1992年~2001年アサヒビールシルバースターズでプレーし、3度の日本一に輝く。2003年ヘッドコーチを経て、2004年に18代目、15人目の監督就任。ディフェンスコーディネーターも兼務し早大が関東屈指のディフェンス力を持つのも朝倉監督の手腕によるところが大きい。
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