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ア式蹴球部
試合レポート


VS慶應大(JR東日本カップ2010 第84回関東大学リーグ戦)
JR東日本カップ2010 第84回関東大学リーグ戦
4月17日
東京・国立西が丘サッカー場


前節2ゴールの富山は、慶応のゴールをこじ開けられなかった

 ワセダの得意とする戦い方は、要所で見せていた。開幕戦で2得点を挙げた、キープ力のあるFW富山貴光(スポ2)にボールを集めて中盤と両サイドの上がりを促す。DF野田明弘(スポ4)がセットプレーから高精度のキックで、慶大守備陣を脅かす。新司令塔のMF中野遼太郎(スポ4)が、決定的なスルーパスを前線に供給する。慶大がボールを持てば、すぐさま前線から執拗なプレスを仕掛け相手陣内で奪い返す。これらのことが、特に前半の中ごろあたりから後半にかけては忠実に行われていた。だが、それでも、スコアは0-1――。終了間際の後半41分、慶大藤田の見事なボレーシュートが決勝点となり、またもワセダは慶大の軍門に下る形となってしまった。

 前夜降り続いていた雪も止み、芝生はやや水を含んではいたがピッチ状態も良好。スタンドには早大応援部も駆けつけ、昨年1分2敗に終わった慶大への雪辱を果たすための絶好のコンディションが整っていた。試合開始直後こそ多くの人数をかけて攻め込む慶大にペースを握られたが、前半15分くらいから徐々にボールを支配し始める。FW小井土翔(教3)やMF鈴木隆司(商4)らが遠い位置からでもシュートを放ち勢いをつけると、中野は中盤で存在感を見せ、『違い』を作り出す。後半に入っても攻勢を緩めず、FW皆川翔太(スポ4)やFW松井亮太(スポ3)といった前線の選手を投入し先制点を目指す。それでも慶大のゴールを揺らすことはできなかった。完封負けを喫し、これで昨年6月の早慶戦から、対慶大3連敗となってしまった。


歓喜の輪ができる慶応イレブンとは対照的に敗戦にうなだれる野田

 大切なのは過程ではなく結果である。確かにボールはワセダが支配し、慶大の司令塔・河井はワセダのプレスに封じ込められていた。しかし慶大は、河井が機能しないとなると即座に中盤を省略し、前線に積極的にロングボールを供給するという極めて現実的な戦術でゴールを奪いにかかる。その流れで終盤にDF陣がラインを下げてしまうと、プレスの緩くなった河井も本来の動きを見せ始め、結局最後の最後にゴールを破られ力尽きた。もちろんワセダのやらんとするサッカーは間違ってはいない。しかし、「後半に運動量が落ちてきて徐々に相手に支配されてきて、最後は上手くやられた」とMF奥井諒(スポ3)が語るように、終盤にスタミナ不足を露呈し、『いい』サッカーはできていたが得点を挙げるまでには至らなかった。慶大のように柔軟な対応をすることが正しいとは限らないが、あらゆるプレーにおいて終始質の高い動きを続けることが、勝利という結果につながってゆくはずだ。

 まだ今季が開幕して2戦目だが、明らかに昨季のワセダに比べて秘めているポテンシャルの高さは感じられる。細かい部分に目を通せば「積極的なシュート意識」(奥井)や「崩しのプレー精度の向上」(DF小川諒=スポ4)など、各選手自身が挙げている課題も少なくない。繰り返すが、まだ今季2戦目が終了したばかり。継続的なチームの成長のため、今後の結果に結びつけるため、いくつかの修正点が見つかったこの日の敗戦をむしろポジティブにとらえるべきなのかもしれない。 
(記事 河野祐樹、カメラ 千葉太一)

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